俺から言わせ

俺らもう、すっかりすれちまってるしな?」
とハマグチは酒の入ってるボトルを探しながらそうつぶやく。
アンタはさあ、そう言って怖がってるだけだよ。
ひとりのオンナと真面目につき合うのを」
とハマグチに絡みだすマキ。
まあ、ある意味そうかもな」
とハマグチは素直にそう応える。
アンタはいいよ、そうやってずっとこれからも逃げ続けてれば。
でも、やっぱわたしはオンナだし???、子供とか、まだ諦めてないし。
ってああ、そう言えばアンタには子供もいるしね、別れた元妻との間に」
とマキのハマグチへの絡みはまだ終わらないようだ。
そうかなあ?
俺から言わせりゃあ、オンナはいいと思うよ。
そうやって子供とか産んでさあ???、人生とは?命とは?なんてことに実感とか持っちゃうわけだろ?
俺らオトコは、なんか一生、何かを探し求めなきゃいけないもんなあ。
それで気づけばじじいってわけだよね」
そう言ってハマグチはジッポーを擦ってタバコに火を点けた。
アラフォーのわたしとしてはもう、けっこう危険信号点滅中みたいなんですけど???」
と半分開き直りの自虐コメントのマキ。
それでもマキはいいよ。
毎日、小説とか、自分の表現したいことって言うか、好きなことだけ書いて暮らしてるんだろう?
今更ご存知だとは思いますが、俺らはその点、やりたいことなんてめったに出来ないからねえ」
ナカバヤシがぼやく。
そう、自分のアイデアとかで盛り上がってる時のあの快感は???、まさに神と繋がってる感覚って言うか。
俺らクリエイターってのは、それを1度味わった以上l他にはもう行けないって言うか。
たとえそれが、実際にはめったに巡り会えない快楽とわかっていてもね」
とホンジョウ。
そうだよ、マキ。
俺だってしばらくその手の快感なんて味わってないもんな。
オマエが一番快楽に忠実に生きてんだからさあ、そう言うぼやきはなしだって」
とハマグチが締める。
またまた、3対1でいつもわたしが責められるんだから」
と言ってマキは自分のグラスに残りわずかのワインを注いだ。